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広島地方裁判所 昭和43年(わ)300号 判決 1969年7月29日

本店所在地

広島県尾道市西御所町一三番二五号

有限会社大元商店

右代表者代表取締役

大元良昭

本籍

愛媛県越智郡宮窪町大字余所国甲二一二番地

住居

広島県御調郡向島町六七五番地の二

会社員

平岡喜美男

大正八年二月一三日生

右の者らに対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官阿津地勲出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告会社有限会社大元商店を罰金一、〇〇〇、〇〇〇円に、

被告人平岡喜美男を懲役六月に

それぞれ処する。

被告人平岡喜美男に対しこの裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社有限会社大元商店(以下「被告会社」という。)は尾道市土堂一丁目七番六号に本店を置き(昭和四三年一〇月二五日同市西御所町一三番二五号に移転)、同市内四カ所、御調郡向島町および三原市各一カ所において食肉販売業を尾道市久保町において食堂を、同市吉和町において養豚業をそれぞれ経営する資本金三〇〇、〇〇〇円の有限会社であり被告人平岡は、被告会社の経理責任者であるが、被告人平岡は、被告会社の業務に関し、所定の法人税を免れる目的で、食肉販売業の売上金の一部を除外し、決算書類において架空の仮受金、買掛金を計上し、あるいは棚卸しを一部除外する等の方法により所得の一部を秘匿したうえ、

第一、被告会社の昭和三九年五月一日から昭和四〇年四月三〇日までの事業年度における実際所得金額が別紙

(一)記載のとおり少なくとも九、七八八、〇四五円であり、これに対する法人税額が三、三五〇、八七〇円であつたにもかかわらず、昭和四〇年六月三〇日所轄尾道税務署長に対し、その所得金額が二、六三四、一二二円でこれに対する法人税額が七三七、九二九円である旨を記載した法人税確定申告書を提出し、よつて同事業年度における法人税二、六一二、九四一円を免れ、もつて偽りその他不正の行為により法人税を免れ、

第二、被告会社の昭和四〇年五月一日から昭和四一年四月三〇日までの事業年度における実際所得金額が別紙

(二)記載のとおり少なくとも一五、〇五六、七〇七円であり、これに対する法人税額が五、二八二、一六〇円であつたにもかかわらず、昭和四一年六月三〇日所轄尾道税務署長に対し、その所得金額が七、〇四一、三一〇円でこれに対する法人税額が二、三二一、三〇三円である旨を記載した法人税確定申告書を提出し、よつて同事業年度における法人税二、九六〇、八五七円を免れ、もつて偽りその他不正の行為により法人税を免れ

たものである。

(証拠)

一、被告人平岡の当公判廷における供述

一、同被告人の検察官に対する供述調書二通

一、同被告人の大蔵事務官に対する質問顛末書一三通

一、同被告人作成の上申書七通

一、大元則雄、大元言吉、藤井清人および大元繁之の検察官に対する各供述調書

一、大元イトヨ、大元則雄(五通)、大元雅江(五通)、新田義則(三通)、新田ミヤコ、大元尊之(三通)、大元日出子、大元百合子(二通)、大元言吉(三通)、藤井清人(三通)、森満吉(二通)吉原弘志(三通)、木曾健之助および大元繁之(二通)の大蔵事務官に対する各質問顛末書

一、大元則雄、大元雅江(二通)新田義則、新田ミヤコ、大元尊之、大元日出子、大元百合子、大元言吉および吉原弘志各作成の上申書

一、大元則雄および大元雅江共同作成の上申書

一、大元雅江、被告人平岡および大元則雄共同作成の上申書

一、株式会社中国銀行尾道支店支店長細川勝已作成の証明書

一、大蔵事務官叶昭三作成の脱税額計算書説明資料

一、大蔵事務官蔵田訂作成の脱税額計算書二通

一、被告会社の登記簿謄本

一、押収してある売上支払メモ二冊(昭和四三年押一一七号の一および二)

一、押収してある棚卸明細綴一綴(同押号の三)

一、押収してある決算参考資料綴一綴(同押号の四)

一、押収してある決算参考資料四冊(同押号の五の一ないし五の四)

一、押収してある決算参考資料一枚(同押号の五の五)

一、押収してある決算控一冊(同押号の六)

一、押収してある定期積金元帳一枚(同押号の七)

一、押収してある法人税決議書綴一綴(同押号の八)

一、押収してある定期預金証書一通(同押号の九)

(法令の適用)

被告人平岡の判示第一および第二の各所為は、いずれも法人税法一五九条一項に該当するので、所定刑中いずれも懲役刑を選択し、以上は刑法四五条前段により併合罪であるから同法四七条本文、一〇条により犯情重い判示第二の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で同被告人を懲役六月に処し、同法二五条一項を適用してこの裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予することとし、被告会社については、その使用者である被告人平岡が被告会社の業務に関して判示第一および第二の違反行為をしたものであるから法人税法一六四条一項により被告会社に対し判示第一および第二の各罪についてそれぞれ同法一五九条一項所定の罰金刑を科し、以上は刑法四五条前段により併合罪であるので、同法四八条二項により右各罪につき定めた罰金の合算額範囲内で被告会社を罰金一、〇〇〇、〇〇〇円に処することとする。

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 神垣英郎)

別紙(一)の1

損益計算書

(自昭和39年5月1日

至昭和40年4月30日)

<省略>

(別紙(一)の2に続く)

別紙(一)の2

損益計算書

(自昭和39年5月1日

至昭和40年4月30日)

<省略>

別紙(二)の1

損益計算書

(自昭和40年5月1日

至昭和41年4月30日)

<省略>

(別紙(二)の2に続く)

別紙(二)の2

損益計算書

(自昭和40年5月1日

至昭和41年4月30日)

<省略>

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